うつわの秋2024:特別企画の予約を開始いたしました

今年のうつわの秋も、川床喫茶やギャラリートーク、金継ぎ体験などが充実しています。皆様のご予約をお待ちしております。

長門湯本温泉の川床を茶室と見立て、作家自らがお抹茶を点てる貴重なひととき。深川萩で味わうお抹茶を間近に流れる音信川のせせらぎとともにお楽しみ下さい。

日時:9月14日(土)13:00〜16:00
会場:界 長門 川床
受付:事前予約制
料金:1名につき5000円(お抹茶・和菓子・お土産付き)
※一回のご利用につき川床貸切50分
※最大3組・各組4名様まで/1回
※雨天中止

長門湯本温泉 「うつわの秋」開催を記念し、萩焼深川窯の作家・新庄貞嗣(新庄助右衛門窯 十四代)によるギャラリートークを開催いたします。

日時:2024年9月14日(土)17:00~
​会場:cafe & pottery音​
受付:事前予約制
定員:10名
料金:1000円(ドリンク付)

深川萩の窯元・新庄助右衛門窯を訪問し、作家より萩焼深川窯の歴史や作品について直接お話を伺い、大正時代まで使われていた山口県指定文化財の共同窯をご案内致します。深川萩の歴史と文化を楽しんでいただける時間をお届けします。

日時:2024年9月21日(土)13:00~
​集合:萩焼深川窯入り口
受付:事前予約制
定員:10名
料金:5000円

cafe&pottery音では、金継ぎ体験を開催いたします。お客様から修復のご連絡をいただいたことがきっかけで、ご愛用いただく大切なうつわを長く使っていただきたいという想いから金継ぎをはじめました。「うつわの秋」では、金継ぎがはじめてという方でも気軽に参加していただけるよう、2時間程度で修復する金継ぎを体験していただけます。

日時:9月22日(日)・10月12日(土)
時間:13:00~16:00(3時間程度)
受付:事前予約制(定員5名程度)
金額:5000円(飲み物・茶菓子付) 

画像をクリックで「うつわの秋2024」特設ページに移動します。

うつわの秋について

萩焼と温泉街の歴史
山口県長門市深川湯本には、約370年の歴史をもつ萩焼の窯元集落「三ノ瀬」があります。萩焼は16世紀末、毛利輝元公が朝鮮陶工を招いたことに始まり、茶道の世界で「一楽・二萩・三唐津」と称されるほど古くから愛されてきました。隣り合う長門湯本温泉も600年の歴史を誇りますが、長い歴史を持ちながらも、萩焼と温泉が一緒に何かをつくり上げる機会は、これまでほとんどありませんでした。

その転機となったのが2016年の温泉街マスタープランです。「文化体験」を温泉街の核に据える構想の中で、深川萩が地域を代表する文化として位置づけられました。旅館と窯元の若い世代が歩み寄り、ギャラリーカフェの運営を通じて対話と信頼を育み始めたのです。

「うつわの秋」のはじまり
2020年、新型コロナ禍で旅館も作家も活動の場を失った時期に、萩焼作家から「温泉街で萩焼を見てもらう機会を」との声が上がりました。これをきっかけに誕生したのが「うつわの秋」です。深川萩の全ての窯元と作家が一堂に会し、温泉街の中心・恩湯休憩室で展示を行うという、歴史上初めての試みでした。

「うつわの秋」は単なる展示会ではありません。旅人はカフェや宿で萩焼に触れ、やがて窯元を訪ねる。地域の人は日常に器を取り入れながら、お気に入りを探す。旅館スタッフも作家から学び、その経験を日々のおもてなしに生かしています。器を通じて、旅人・暮らす人・働く人が交わり、日常と旅が自然に結びつき、この場所ならではの体験が育まれていきます。

未来へつなぐ文化体験

かつて茶道が生活に根付いていた時代、人々は器を通じて文化に親しみました。現代ではその習慣は薄れましたが、代わりに「どんな人が、どんな場所でつくられたものか」に価値を見出す人が増えています。温泉地もまた、画一的な非日常ではなく、その土地ならではの文化体験を求める旅人が増えています。「うつわの秋」は、そうした新しい旅のかたちに応える営みでもあります。

伝統をただ守るのではなく、時代に合わせて表現を創造し続けること。その営みのひとつの姿が「うつわの秋」です。器を手にとり、触れ、使う。その体験が地域の文化を未来へとつなぎ、長門湯本温泉の秋を彩っていきます。