「うつわの秋2026」がKOGEI STANDARD英語版に掲載されました

KOGEI STANDARD英語版に掲載された「うつわの秋2026」の記事ページ

9月16日にご紹介いただいた日本工芸のオンラインメディア「KOGEI STANDARD」で、9月28日に英語版の記事も公開されました。連載「Featured Exhibitions & Events」にて、10月2日(金)から始まる「うつわの秋 vol.7」を取り上げていただいています。

深川萩五窯と出展作家のご紹介をはじめ、和菓子作家 一方隅冴さんとのコラボレーション、恩湯で開かれる「湯道展」まで、今年の「うつわの秋」が英語でまとめられています。

海外の方にも、深川萩と長門湯本温泉を知っていただくきっかけになればうれしく思います。

Following the Japanese edition introduced on September 16, KOGEI STANDARD, an online media outlet for Japanese crafts, published the English edition of its article on September 28. In its series “Featured Exhibitions & Events,” it features “Utsuwa no Aki vol.7,” which begins on Friday, October 2.

From an introduction to the five Fukawa-Hagi kilns and their exhibiting artists to the collaboration with wagashi artist Sae Ippozumi and the “Yudo Exhibition” held at Onto, the article presents this year’s “Utsuwa no Aki” in English.

We hope it will help people overseas discover Fukawa-Hagi and Nagato Yumoto Onsen.

うつわの秋について

萩焼と温泉街の歴史
山口県長門市深川湯本には、約370年の歴史をもつ萩焼の窯元集落「三ノ瀬」があります。萩焼は16世紀末、毛利輝元公が朝鮮陶工を招いたことに始まり、茶道の世界で「一楽・二萩・三唐津」と称されるほど古くから愛されてきました。隣り合う長門湯本温泉も600年の歴史を誇りますが、長い歴史を持ちながらも、萩焼と温泉が一緒に何かをつくり上げる機会は、これまでほとんどありませんでした。

その転機となったのが2016年の温泉街マスタープランです。「文化体験」を温泉街の核に据える構想の中で、深川萩が地域を代表する文化として位置づけられました。旅館と窯元の若い世代が歩み寄り、ギャラリーカフェの運営を通じて対話と信頼を育み始めたのです。

「うつわの秋」のはじまり
2020年、新型コロナ禍で旅館も作家も活動の場を失った時期に、萩焼作家から「温泉街で萩焼を見てもらう機会を」との声が上がりました。これをきっかけに誕生したのが「うつわの秋」です。深川萩の全ての窯元と作家が一堂に会し、温泉街の中心・恩湯休憩室で展示を行うという、歴史上初めての試みでした。

「うつわの秋」は単なる展示会ではありません。旅人はカフェや宿で萩焼に触れ、やがて窯元を訪ねる。地域の人は日常に器を取り入れながら、お気に入りを探す。旅館スタッフも作家から学び、その経験を日々のおもてなしに生かしています。器を通じて、旅人・暮らす人・働く人が交わり、日常と旅が自然に結びつき、この場所ならではの体験が育まれていきます。

未来へつなぐ文化体験

かつて茶道が生活に根付いていた時代、人々は器を通じて文化に親しみました。現代ではその習慣は薄れましたが、代わりに「どんな人が、どんな場所でつくられたものか」に価値を見出す人が増えています。温泉地もまた、画一的な非日常ではなく、その土地ならではの文化体験を求める旅人が増えています。「うつわの秋」は、そうした新しい旅のかたちに応える営みでもあります。

伝統をただ守るのではなく、時代に合わせて表現を創造し続けること。その営みのひとつの姿が「うつわの秋」です。器を手にとり、触れ、使う。その体験が地域の文化を未来へとつなぎ、長門湯本温泉の秋を彩っていきます。